【舌下免疫療法】
「アレルギーを“根本から治す”新時代の治療」
【医学博士が詳しく解説】
はじめに
くり返す鼻水・くしゃみ・目のかゆみ。
季節が変わるたびにやってくる花粉症や、年中続くハウスダストによるアレルギー性鼻炎——。
これまでのアレルギー治療は、症状を「一時的に抑える」ための薬が中心でした。
しかし近年は、アレルギーの体質そのものを“根本から改善する”治療法として、舌下免疫療法が注目されています。舌の下に少量のアレルゲンを投与し、体に少しずつ慣れさせていくことで、
時間をかけてアレルギー反応を起こしにくい体質へと導いていきます。
この治療は、**数年後の自分の未来を変えるための“長期的な投資”**とも言えるものです。
薬に頼る日々から卒業したい方、お子さまのアレルギーを本気で改善したいとお考えの方に、
ぜひ知っていただきたい治療法です。
当院では、スギ花粉とダニアレルギー(ハウスダスト)に対する舌下免疫療法を行っています。
多くの患者さんに実施してきた認定医師の視点から、安心・安全に始められる体制でご案内いたします。
舌下免疫療法とは?
舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)とは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を、ごく少量ずつ体に慣らしていくことで、アレルギー反応を起こしにくい体質へ導く治療法です。
「症状を抑える」のではなく、アレルギーそのものを“治す”ことを目指す根本療法として、近年注目を集めています。
舌下免疫療法は、アレルゲンを錠剤として舌の下に投与する方法で、毎日1回、自宅で服用を続けていただきます。
これを数年かけて継続することで、アレルギー反応を少しずつ弱め、症状を大幅に軽くしたり、薬がいらない体質に改善することが期待されます。
✅ 対象となるアレルギー
日本で現在、保険診療として認められている舌下免疫療法の対象は以下の2つです:
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スギ花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)
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ダニ(ハウスダスト)アレルギー(通年性アレルギー性鼻炎)
この2つに対してアレルギー反応があると診断された方のみ、治療を受けることができます。
✅ 舌下免疫療法のポイント
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治療の主な目的は「アレルギー症状の体質改善」
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対象年齢:5歳以上〜高齢者まで対応可
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副作用が比較的少なく、眠気が出ない
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多くの方が2年〜5年の継続で効果を実感
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従来の“対症療法”ではなく、“根治”を目指せる治療。
それが、舌下免疫療法です。

従来の治療との違い
アレルギー性鼻炎や花粉症に対しては、これまで多くの方が抗ヒスタミン薬や点鼻薬などを使って、症状を一時的に抑える治療を受けてきました。
このような治療は「対症療法」と呼ばれ、症状があるときだけ使う方法です。
一方、舌下免疫療法は、アレルギーの根本に働きかける“体質改善の治療”です。
🔄 比較してみましょう:
✅ 舌下免疫療法の位置づけ
舌下免疫療法は、アレルギーを“治す”ための数少ない選択肢です。
症状を和らげるだけではなく、「将来アレルギーで悩まなくていい自分を目指す」ための長期的な投資と考えていただけるとよいでしょう。
特に、毎年薬を飲み続けている方、お子さまのアレルギーが心配な保護者の方には、本質的な解決手段として強くおすすめできる治療です。

💰 舌下免疫療法の費用について
舌下免疫療法は、保険適用の治療です。
治療対象のスギ花粉症やダニアレルギーは、国で認められている疾患であるため、通常の保険診療と同様に、3割負担・こども医療費助成制度が適用されます。
✅ 大人の場合(3割負担)
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月の診察・処方・薬代を含めて
約2,000〜2,500円/月程度 -
初回のアレルギー検査(血液検査)は
約3,000〜4,000円前後
※使用薬剤(シダキュア・ミティキュア)により若干の差があります
👦 小児の場合(医療費助成がある方)
多くの自治体では、高校3年生まで医療費が無料または月上限500円以内などに設定されています。
そのため、舌下免疫療法をお子さまが医療費助成の対象であるうちに始めることは、非常に大きなメリットがあります。
✅ 今、始めるメリット(お子さまのケース)
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花粉の時期に集中力が落ちる/睡眠が乱れるなど、学業への影響を予防
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小児期に治療を始めることで、将来的なアレルギー発症を抑える可能性も報告あり
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医療費助成を活用することで、経済的な負担がほぼゼロで始められる
📌 保護者の方へ
アレルギー性鼻炎は、ただの「鼻水の病気」ではなく、学業や生活の質(QOL)に大きく影響を与える疾患です。
特に小児期に集中力や睡眠を阻害するようなアレルギー症状があると、学校生活・受験・運動面でも影響が出ることがあります。
今、医療費がかからない時期にこそ、「将来の自分をラクにする」体質改善を始めるタイミングとして最適です。
⚠️ 舌下免疫療法を始めるにあたっての注意点
舌下免疫療法は、安全性の高い治療ですが、開始前と開始直後に特別な注意点がいくつかあります。
下記をよくご確認のうえ、ご予約・受診をお願いいたします。
🧪 ① アレルギー検査が必要です
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治療を受けられるのは、スギ花粉またはダニアレルギーがあると診断された方のみです。
当院で検査も可能ですが、すでに他院で検査をされたことがある方は、検査結果のコピーをご持参ください。 -
※検査結果がない場合は、初診時に血液検査を行い、結果判明まで約1週間かかります。
⏰ ② 初回服用時は院内で30分間の待機が必要です
初回は、万が一に備えて院内で薬を服用し、30分間経過観察を行う必要があります。
このため、初回開始時の診療時間に制限があります。
✅ 初回診療受付時間(平日):
●午前診:〜10:30までに来院
●午後診:〜16:30までに来院
※この時間以外では初回導入ができません。
必ずご予約の際に「舌下免疫療法 初回希望」とお伝えください。
💊 ③ 毎日1回の服用が必要です(自宅で継続)
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舌下免疫療法は継続が何より重要な治療です。1日でも忘れると効果が不安定になることがあります。
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投与後5分程度は飲食・うがいを控える必要があります(薬剤が吸収されるまでの時間です)。
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通院が困難な方でも2回目以降はオンライン診療で処方ができます。
🚫 その他の注意事項
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妊娠中の方、重度の喘息や自己免疫疾患のある方は、治療をお控えいただく場合があります。
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スギ花粉への舌下免疫療法は6月以降が開始となります(ダニはいつでも開始可能です)。
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一時的に口の中のかゆみや違和感が出ることがありますが、通常は数日〜数週間で軽減します。
🏥 当院の診療は完全予約制です
当院では、患者様の待ち時間や院内滞在時間をできる限り短くするために、
**「完全予約制」**での診療を行っております。
📌 初回の方も予約でスムーズにご案内します
舌下免疫療法の初回導入時には院内での待機時間(30分)が必要ですが、
完全予約制+事前準備により、院内滞在時間の最小化を実現しています。
初回のご予約時には「舌下免疫療法 初回希望」とお伝えください。
💳 デジスマアプリをご利用の方へ
当院では、キャッシュレス会計システム「デジスマアプリ」を導入しております。
アプリで事前にクレジットカードを登録しておくと、診察終了後にそのまま帰宅していただける「会計待ちゼロ」システムがご利用いただけます。
💊 電子処方箋に対応しています
当院では、**厚生労働省が推進する「電子処方箋システム」**に対応しております。
これにより、患者様の通院・服薬体験がよりスムーズで、安心・便利になっています。
✅ まとめ
舌下免疫療法は、これまでの「その場しのぎの対症療法」ではなく、「アレルギーの体質そのものに働きかける“根本治療”」です。
特にスギ花粉症やダニアレルギーによる鼻炎に悩まされている方にとって、長期的に症状を軽減し、薬に頼らない生活を目指す有力な選択肢となります。
毎日1回、舌の下で服薬を続けるというシンプルな方法ですが、継続によって体質を変えることができる治療です。
また、小児期に始めることで、学業や生活への影響を未然に防ぎ、将来のアレルギー発症リスクを下げることも期待されています。
医療費助成制度のあるうちに始められるのも、大きなメリットの一つです。
「いつまでこの薬を飲み続けるんだろう」
「毎年同じ時期に同じ症状が出て、もううんざり」
そんなお悩みがある方は、“根本から治す”という選択肢を、ぜひ知っていただけたらと思います。
まずはお気軽にご相談ください。
💬 よくあるご質問(Q&A)
Q1. 舌下免疫療法って、どういう治療ですか?
A. アレルギーの原因(スギ花粉やダニ)を少量ずつ体に慣らし、アレルギー反応を起こしにくい体質に改善する根本治療です。1日1回、舌の下に薬を投与し続けることで効果が現れます。
Q2. どれくらいの期間、治療を続ける必要がありますか?
A. 最低2年間、推奨は3〜5年間の継続です。継続することで、約7割の方が症状の改善を実感したという報告があります。
Q3. いつから治療を始めればいいですか?
A. スギ花粉症の方は花粉が飛んでいない6〜12月に開始してください(1月以降は開始できません)。
ダニアレルギーの方は一年中いつでも開始可能です。
Q4. 副作用はありますか?
A. 主に口の中のかゆみ・違和感が一時的に出ることがありますが、多くは自然に軽減します。アナフィラキシーなど重篤な副作用は非常にまれです。初回は院内で安全に投与を行います。
Q5. 子どもでも治療できますか?
A. はい、5歳以上であれば治療可能です。小児期から治療を始めることで、将来的なアレルギー体質の改善や、学業への影響の予防にもつながると期待されています。
Q6. 治療を始めるために必要な検査はありますか?
A. はい、スギまたはダニへのアレルギー反応があることを確認する検査(血液検査など)が必要です。
すでに他院で検査済みの方は、検査結果をお持ちください。
Q7. 他の薬と併用しても大丈夫ですか?
A. 基本的には問題ありません。症状が強い時期には対症薬(抗ヒスタミン薬など)と併用することもあります。ご希望や状況に応じて調整いたします。
Q8. 飲み忘れた場合はどうすればいいですか?
A. 気づいた時点で当日中に服用してください。ただし、2日以上連続で忘れた場合は、医師の指示が必要になることがありますので、必ずご相談ください。
Q9. 治療後に完治しますか?
A. 舌下免疫療法によって、長期的に症状がほとんど出なくなる、または軽くなる方は多くいます。ただし、すべての方に完治を保証する治療ではありません。
Q10. どこで治療を受けられますか?
A. 当院では、スギ・ダニの舌下免疫療法を保険診療で提供しています。
初診・初回導入には時間の調整が必要ですので、事前予約のうえ、「舌下免疫療法希望」とお伝えください。
🗣️ のどがイガイガ
…それでも続けるためのコツ…
舌下免疫療法を始めたばかりの頃は、「のどがイガイガする」「口の中がかゆい」「舌の下がピリピリする」といった一時的な副作用を感じることがあります。
これらは、体がアレルゲンに慣れていく過程で起こる反応で、多くの方が数日〜数週間で軽快していきます。
それでもつらいときは、以下の対策を取り入れることで、無理なく治療を続けられる可能性が高まります。
✅ 副作用を軽くする対処法
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服用30分前に抗ヒスタミン薬を飲む
→ アレルギー症状を抑える作用で、口腔内の不快感が軽減します。 -
“吐き出し法”を活用する
→ 舌下錠を1分間保持した後に吐き出し、5分後にうがいをすることで、刺激を和らげることができます。
※治療効果は若干下がりますが、安全に続けることを優先します。 -
減量してゆっくり慣らす
→ 最初は【1/4錠】を4週間続け、問題なければ【1/2錠】へ。
それでもつらければ、1/4錠のまま継続してOKです。
治療のゴールは長期的な改善なので、焦らずご自身のペースで進めましょう。 -
体調が悪いときは無理せず休薬
→ 風邪や体調不良時は一時的にお休みしても大丈夫。再開時は医師に相談してください。 -
減量した錠剤の残りは再利用せず廃棄
→ 舌下錠は吸湿性があるため、割った残りは使用せず処分しましょう。
🧑⚕️ 院長からのアドバイス
少しでも続けることが何より大切です。副作用がある=体が反応している証拠でもあります。
つらいときは必ず医師にご相談ください。あなたに合ったペースで、安全に治療を続けられる方法を一緒に探します。
📌 治療は“完走”が大切です。
無理せず、でも途中で諦めず。継続こそが、未来のアレルギー改善につながります。

院長ごあいさつ
こんにちは。院長の森です。
毎年、花粉症やアレルギー性鼻炎に悩む患者さまが増えています。鼻水やくしゃみだけでなく、睡眠の質や集中力の低下、日常生活や学業への支障など、思っている以上に深刻な影響を及ぼす疾患です。
私自身、脳神経内科を専門としてきた中で、「アレルギーで眠れない」「頭がぼんやりする」「集中できない」といった、脳機能や自律神経に関連する症状で困っている方を多く診てきました。
その中で、一時的に抑える治療ではなく、体質を変える根本的なアプローチが必要だと強く感じていました。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質を少しずつ体に慣らすことで、将来的に薬がいらなくなる、または症状が軽くなることを目指す治療です。
まだ広く知られてはいませんが、医学的な根拠と実績がある、非常に有効な方法です。
特に、小児期から治療を始めることで、アレルギーによる学業・生活への影響を予防し、将来の発症リスクを減らすことが期待できます。医療費助成のある時期に治療を始める意義も大きいと考えています。
「薬を飲み続けるだけの毎日から卒業したい」
「お子さまのアレルギーを本気で改善したい」
そんな方に、ぜひこの治療法を知っていただきたいと思っています。
小さな一歩が、未来の大きな変化につながります。
ご興味があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
森クリニック 院長 森